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昔懐かしい「ソウルラーメン」 ふくや

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シンプルな醤油味の「中華そば」 800円
シンプルな醤油味の「中華そば」 800円

長野市のラーメン好きで「この店を知らなければ、もぐり」といわれる老舗があります。「ふくや」。夜鳴きそばのチャルメラを流す屋台から始めた先々代から数えて60年余。シンプルな醤油味のラーメンが愛され続けています。
 県内のラーメン店は769軒。人口10万人当たりの店数は「全国で10位」(長野信金調べ)というラーメン激戦区です。ネットによると、「毎年6000軒が開業して5000軒以上が廃業する」「他店と違いが出せない店は1年と持たない」
浮き沈みの激しい業界でラーメンだけで60年も営業を続ける。これは並大抵ではありません。当社も前身の塚田製麺時代からお店に中華麺を納めています。ふくやさんとの「二人三脚」はこれまた半世紀を超えています。
 「ふくや」が創業したのは昭和30年代。クルマ社会の到来で、木材を馬で伐り出す仕事に見切りをつけ、屋台を曳いたあと、市街地の西端に店を借りてオープンしました。当初はタクシーやトラック運転手がお客さんでした。
10年ほどして県庁や地元新聞社の近く、長野市の、いわゆる官庁街に店を移しました。ここで40年、客層はお役人とサラリーマンに代わりました。
 でも、味は創業以来不変です。豚ガラでとった醤油味のスープに当社の麺、自家製の分厚いチャーシュー3枚、メンマ、海苔、刻みネギ...。チャーシューは豚バラ肉を仕入れて、それを美斉津純子社長(57)自らが厨房に入って、大鍋で煮て作ります。だから、麺をすすった後、チャーシューを頬張ると、とろーり甘い食感が口の中いっぱいに広がります。
 「うちの味はシンプルなだけにごまかしが利かない」「昔ながらの中華そばをそのまま変えずにやっている」と美斉津社長。でも世の中はラーメン店花盛り、フランチャイズの店も雨後の筍状態。「フランチャイズをやろうと思ったことも、正直言ってあります」「でも、眼の届く範囲でないと...。味が落ちて評判をなくせば、元も子もない」「身の丈に合った商売が一番ね」
 現在は、住宅街の奥の奥、曲がりくねった細い道を行った先、裾花川の瀬音が身近に聞こえる、ひなびた場所に店を移した。それでも常連客の姿は絶えない。平均すれば、毎日100人は軽く超える。「転勤して40年ぶりに寄ったが、懐かしい味が変わらないねぇ」「盆暮れの帰省で...」「お墓参りで孫を連れて...」。2年前には4代目の長男が市東部に出店、繁盛しています。
 「ソウルフード」。米国では奴隷制で連れてこられた、アフリカ系米国人が作った懐かしい伝統料理をこう呼びます。転じて、日本ではその地域に親しまれている郷土料理を指します。とすれば、善光寺お膝元なら、さしずめふくやの味は「ソウルラーメン」でしょうか。